口唇口蓋裂の場合、きちんと治療をすることで一般のお子さんよりも「歯並び」が綺麗になることが多いそうです。
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こちらの記事では将来私たちの子どもが「口唇口蓋裂の治療」でお世話になる先生から実際に聞くことができたお話をまとめています。
私は自分の子供が「口唇口蓋裂」と診断を受け、ネットでこれについて調べていたところ、こんな記事を目にしました。
「口唇口蓋裂は歯の矯正が保険適用になる」
後に先生からお話を聞いたところ、実際には
口唇口蓋裂の治療の結果で一般の方よりも「歯並びが綺麗になる」
と言うことが分かりました。本文で解説していきます。
一般的な歯科治療は自己負担で高額
ー 子どもの歯並びは綺麗にしたい ー
一昔前と比べると歯科矯正をする方も増えており、生まれてくるお子さんの歯並びを綺麗にしたいと思う方も多いのではないでしょうか。
国立医療科学院の提示しているデータによると、1994年から2008年で14歳未満で歯科矯正を受けた患者数は実際に約5400人から1万4千人にまで増加しています。
各調査年の推計患者数(千人) | ||||||||
1984年 | 1987年 | 1990年 | 1990年 | 1996年 | 1999年 | 2002年 | 2005年 | 2008年 |
5.4 | 9.1 | 8.0 | 7.7 | 6.3 | 8.2 | 6.4 | 12.6 | 14.1 |
国立医療科学院 歯科保険医療の需要と供給に関するページ 歯科診療所の患者数の将来予測より
https://www.niph.go.jp/soshiki(リンク先はPDFになります)
とはいえ現在「美容整形」などを目的としたものは国民健康保険の適用外であり、費用の100%が自己負担となります。
歯科矯正も一般的にはこの自己負担となってしまい、相場は治療法によっても違いますが大体80〜150万円と高額です。
しかし冒頭の通り「口唇口蓋裂は歯の矯正が保険適用になる」が本当の場合、自己負担額は3割である4万円〜50万円となるはずです。
厚生労働省 治療負担の割合より:https://www.mhlw.go.jp/
そこで日本矯正歯科学会のページを見ると「矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合」の「別に厚生労働大臣が定める疾患」には「唇顎口蓋裂」とあります。
矯正歯科治療が保険診療の適用になる場合とは
矯正歯科治療は一般的には保険適用外ですが、下記の場合に限り保険診療の対象となります。
①「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
②前歯3歯以上の永久歯萌出不全に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
③顎変形症の手術前・手術後の矯正歯科治療−中略−
別に厚生労働大臣が定める疾患
1.唇顎口蓋裂以上、日本矯正歯科学会より引用:https://www.jos.gr.jp/facility
なるほどネットで見た通りのようです。
実際に先生に聞いてみました。
「口唇口蓋裂の場合、歯科矯正は保険適用になると見たのですが本当ですか?」
「口唇口蓋裂なら、軽度・重度に関わらず可能なのでしょうか?」
まだお腹の中の子どもですので「どの程度の口唇口蓋裂で生まれてくるか」が分かりません。それにより保険適用・保険適用外の変化があるのか聞いてみました。
私は口唇口蓋裂の場合
【歯科医での歯科矯正は保険適用が可能(一般の方が受ける場合よりも大幅に安くできる)】
と思っていたのですが先生によると
【口唇口蓋裂の治療の一環で歯並びを綺麗にすることが出来る】
というのが正しい認識のようですね。
口唇口蓋裂は治療で歯並びが綺麗にのまとめ
口唇口蓋裂を持ったお子さんは治療や入院などの負担はありますが、
治療の一環で一般の方よりも「歯並びが綺麗になる」
ということが分かりました。
現在の歯科矯正の相場が80万〜150万と考えると、歯並びが綺麗になるのは「大きなメリット」ではないでしょうか。
口唇口蓋裂を持って生まれてくる、と言うことを考えると私はマイナスな思考に陥りがちなのですが、将来「歯並びが綺麗で良かった」と本人が思ってくれる日が来たらいいなあと思いました。
また今回お話を伺った大久保 文雄先生は「口唇口蓋裂の治療とケア」について非常に分かりやすい本を出しています。
私も実際に購入して読みましたが、口唇口蓋裂と診断を受けた直後にすぐ読んでおけば良かったと後悔しました。ちょっと安心しますのでオススメです。