参考に出来ることがたっぷりの料理マンガ「きのう何食べた？」
今回は漫画「きのう何食べた？」を紹介させてください。
こちらは漫画「大奥」や「西洋骨董洋菓子店」「フラワー・オブ・ライフ」の著者「よしながふみ」さんの漫画です。
レシピ本としてとても便利な漫画であり、その理由として料理一品のレシピを紹介するのではなく「食卓」単位でのレシピが載っている珍しいタイプのコミックです。
レシピだけではなく調理の手順、洗い物を減らすちょっとしたポイント、珍しい調味料の代用方法などが載っている回もあり、料理初級者～中級者に特にお勧めの本です。
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内容は
主役は40代の独身弁護士「筧史朗（かけいしろう）」と、同じく40代の美容師「矢吹賢二（やぶきけんじ）」の二人。
彼らゲイカップルの同棲生活を、料理を中心に描いた日常系の物語です。
基本的に毎回一話読み切りであり、登場人物たちは実際の年月の進みに合わせて年をとっていきます。
（そのため筧史朗は現在50歳という設定です）
もちろん電子書籍版も出ています。
私の読んだきっかけ
私が読んだきっかけは、仕事の取引先の方に勧められたからです。
趣味が料理と伝えたところ
「漫画は好き？それなら絶対おすすめの本があるから今度持ってくるよ」
と当時出ていた１～３巻を半ば強引に押し付けられました 手渡されました。
読む前ってこんな印象ありませんか？
そんな私の読む前の印象です。
-
- 同性愛者の生活って……おっさん同士の夜の営みとかそういうの見たくないんだけどなあ……。
- 料理本の漫画か。参考に出来る「レシピ」はどのくらいだろう。
- テーマがテーマだし、社会派の漫画なのかな。
※性行為の描写を目にしたくないのは事実ですが、私は同性愛者自体に差別的意識は無いつもりです。
こんな印象だったのですが、現在はレシピをめっちゃ参考にしたため裏表紙が汚れた巻が我が家にあり、最新刊の１０巻はAmazonで先日予約購入しています。
読んだ後の印象はこんな感じです。
性描写は？
「同性愛者の同棲生活」がテーマとはいえ、性的なシーンは全くないうえに、そういったシーンを彷彿させるシーンもほとんどありません。
ごくまれに、会話の冗談の中でそういった単語が出てくる程度です。
社会派漫画？
同性愛者としての息子を持つ親の苦労や、少数派であること悩みが描かれていたりもしますが、
全体的に明るい雰囲気が漂い、笑いどころがしっかり用意されているため、社会派ではなくいわゆる「日常系」の漫画に分類されます。
主役は二人だけど
また「きのう何食べた？」は、彼ら二人のみが出演する回が少ないです。
両親、職場の人間、知人、旧友などの一般人が絡んでいるためか
読者が彼らゲイの生活を閉鎖的に見ている感覚にならなず、外からこういう世界もあるんだ、と覗いている感覚に近いです。
きのう何食べた？の魅力
筧史朗は弁護士ではありますが、かなりの節約家。
安売りスーパーではお買い得品をハンターの様に選別し、日々の食費を抑えます。
ブリの安売りを見て「ということはブリのあらも安いはず！」と考える主人公は中々いませんよね。
経済的なのに豪華
そしてその安い食材で、主菜、副菜ｘ２、汁物で「あまい」「からい」「すっぱい」のバランスを取りつつ健康面も考慮した食事を作ります。
かといってメニューは貧乏臭くない。これもうれしいですね。
いや、一品一品は貧乏くさいかも！？笑 しかし副菜が充実しているため、食卓として見た際に華やかに見えるんですよ。
レシピではなく食事
この漫画の素晴らしいところは、一品一品を解説するのではなく「食卓」を作ることです。
ネットやレシピ本には、素晴らしいレシピが多々あります。
しかしそれは「一品」の作り方が大半です。
食卓を用意する「主菜＆汁物＆etcを同時に作る描写」が載っていることは稀ではないでしょうか。
料理初級者～中級者に特にお勧め
料理熟練者はその日の食卓を頭の中で構築し、それを作る効率的な調理順序を描き出せるかもしれません。
しかし初心者には一品作るのも精一杯ですよね。
この作品では、食事を作る流れを見ることで「これを調理中にこっちを刻めばいいんだ」といった平行作業の発想を身につけることができます。
もちろん調理のポイントも
「調味料を量る際は 醤油→みりん→水の順にすると洗い物が減る」など、調理の「ちょっとしたコツが」のっているのもポイントです。
考えたことなかったなあ、、まだまだです自分。
ほかには「甜麺醤がないときは味噌、砂糖を～」といった具合に、代用品が描かれているのもありがたいですね。
そのため「既に料理は慣れている」といった方も、普段の自分の手順を「さらに改善できるヒント」が見つけられるかもしれません。
料理以外の魅力
筧史朗の弁護士として仕事をする場面も個人的にはおもしろいです。
一話完結なのでさらっと描かれていますが、弁護士としての苦労や医療ミスへの考え方なんかは、仕事ぶりを普段見る状況などないので、非常に興味深く読めました。
そして「ゲイの方ならではの気の使い方や考え方」は、恋愛において男女共に学べる部分も！（多分
まとめ
どうでしょう。少しでも興味を持って頂けたでしょうか。
ちなみにモーニングの公式サイトで１話だけですが読むことができます。
ただ、モーニングさん、もう少しポップな回を載せたほうがいいのでは 笑
http://morning.moae.jp/lineup/24
1～2巻ほど読んで合わないのでしたら、おそらくそれ以降も面白くないと思います。
しかし「へーこんなレシピあるんだ」「この方法いいかも」といった料理への興味や、
エピソード自体が面白いとった方は現在の１０巻まで楽しめることを保証します。
登場人物も増えていき、パーティーレシピ（節約ありだったり豪華で簡単なものだったり）も登場します。
是非読んでみてください。
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